なぜシカゴが良い街か知っていますか?
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なぜシカゴが良い街か知っていますか?

2月と言えば立春があり、暦の上では春を迎えます。しかし、私が住んでいるシカゴエリアのアメリカ中西部は、マイナス15~20度辺りの気温が数日続き、無駄に外に出ないよう街からメールが来る事もある程寒い日があります。2月なんて春はまだ遠く、遥か彼方の事のように感じます。冬が過ぎたと実感できるのは、4月の中旬程でないでしょうか。 

シカゴと言うと、ニューヨーク、ロサンゼルスに続くアメリカ第三の都市。日本にいると、あまりシカゴのイメージが浮かばない人が多いかもしれません。知っている事と言うと、2021年にトレードが決まった、ダルビッシュ選手がシカゴ・カブスに所属していた。エアージョーダンで有名な90年代に活躍していたマイケル・ジョーダンは、バスケットボールのシカゴ・ブルズに所属していた。もう少し古い話をすると、イタリア系マフィアで名高いアル・カポネがシカゴにいた、という印象しかないかもしれません。 

この街は地理的にもかなり大きく、製造業、金融業、流通業が盛んで、音楽、建築、美術など文化関連も全般的に盛んです。よって、実は日系企業もたくさん集まり、出張でシカゴに訪れるビジネスマンの方も多いと思います。今回は、日本に居るとあまり馴染みのないシカゴですが、なぜ良い街なのか、皆さんに色々な角度からたくさん紹介したいと思います。 

  • 街の景観
  • シカゴでの食事
  • アート・文化・スポーツに溢れる街
  • シカゴでの赴任・留学生活
  • シカゴは安全?
  • 最後に

 【街の景観】 

何を話すにも、シカゴの景観を語らずとは、街の良さを説明できません。私は、長期、短期を含め、シカゴ以外にも以下のアメリカで有名な都市を訪れたり、住んでいた事があります。 

南部や山岳部、東部の街の経験が少ないですが、それでも今まで挙げた街の中で、シカゴは断トツ一番景観が美しい街です。ウィキペディアによると、シカゴには100mを超える超高速ビルの数は575棟あり、これは、ニューヨーク、香港に次ぐ世界第三位。ダウンタウンの街は、近代的なビルと歴史が感じられる建物が見事に調和しています。街を歩いていると、美しい彫刻やユニークな建築物が至る所で見られ、もうため息ばかり出てしまいます。観光に来た際には、是非シカゴ川からのクルーズやジョン・ハンコック・センターの展望台からの景色も経験していただきたいです。 

【シカゴでの食事】 

これも知らない人が多いのですが、シカゴは移民が多い街です。ダウンタウンを囲んで、チャイナタウン、グリークタウン、ポーランド人街、ウクライナ人街、アジア人街、コリアンタウンなど様々な移民や人種が暮らしています。メキシコ人やプエルトリコ人も街を労働で支えています。そして少し離れた郊外には日本人街もあります。この背景から、シカゴでは多種多様な本物のグルメを堪能する事ができます。 

食べ物に関しては、日本や東京での食べ物は世界一だと断言できます。味にしても、値段にしても、バラエティにしても、東京では和食や洋食だけでなく、世界各国の味が楽しめます。しかし、『アメリカの日本食レストランについて』の冒頭にも書きましたが、シカゴやアメリカの大都市では日本食が人気で、変わり寿司ネタも食する事が出来ます。そのようなアメリカナイズされた和食のみでなく、シカゴでは昔から日本人が居住しているため、本格的な日本食、またラーメンや洋食などカジュアルな日本食レストランも簡単に見つけられます。 

移民のおかげで世界各国の食のみでなく、シカゴで有名な地元のテイストと言えば、別名シカゴスタイルビザと呼ばれているディープ・ディッシュ・ピザ、イタリアン・ビーフサンドイッチ、シカゴホットドッグなど、ザ・アメリカンの食事ももちろん充実しています。訪れた当初はアメリカの食事を堪能し、その後に日本食を含めた各国固有の食事を楽しむというスタイルもシカゴでは可能です。 

デープディッシュ・ピザ

シカゴ・ホットドッグ

イタリアンビーフサンドイッチ

【アート・文化・スポーツに溢れる街】 

冒頭でも話した通り、ダルビッシュ選手がいたシカゴ・カブス、マイケル・ジョーダンがいたシカゴ・ブルズの他にも、サウスサイドにベースボールのホワイトソックス、フットボールのベアーズ、アイスホッケーではブラックホークスという具合に、スポーツ好きにはたまらない街となっています。かく言う私も、実はマイケル・ジョーダンファンで、90年代にジョーダンが築いたブルズの栄光を観戦するために、ロサンゼルスの街からシカゴに引っ越してきました。一度だけジョーダンの試合を、それもカンファレンスファイナルであるニューヨークニックスとの試合を生で見る事が出来たのですが、あの興奮は忘れられません。その際の話はちょっと面白い話なので、また機会がある時にお話ししますね。 

スポーツ好きな人のみでなく、シカゴはアートや建築も有名です。ダウンタウンにあるシカゴ美術館は世界的に有名な絵画が飾られてあり、一日では到底周り切れない広さです。建築と言えば、建築家フランク・ロイド・ライトが設計した建築物が見られたり、彼の家が今でも存在しています。音楽ではジャズやブルースのメッカと言われ、シカゴ・ハウスミュージックも名高く、私の知り合いにも世界を動き回っているDJがいたりします。クラッシック音楽に関しては、全米五大オーケストラと言われる一つのシカゴ交響楽団が存在し、オペラやミュージカルもとても近い存在となっています。大都市だから何でも手に入るとする見方もありますが、シカゴという昔ながらの歴史のある街だからこそ、厚みのある豊かな文化を感じる事が出来るです。 

【シカゴでの赴任・留学生活】 

日本にあまり馴染みがないシカゴでも、仕事の赴任者の方々は沢山住んでいます。私は語学留学や大学に至ってもシカゴの学校を選びましたが、若い留学生となると、他の大都市よりあまり見かけないかもしれません。しかし、先述した通り、ダウンタウンから45分ほどのところに日本人街があります。そこには『アメリカでの日本食材の確保』にもありますが、日本食材が買える実店舗が数件あります。このエリア近辺には、『子供の日本語の習得について』である通り日本の政府から補助金が出て運営している日本語全日校や土曜補習校があります。他にも驚く事に、現地校なのに全ての授業を日本語で教えている小学校のクラスも存在したりしています。よって、シカゴという街は、赴任者家族の方々にはとても生活しやすい環境となっているのです。 

シカゴに赴任された方々は一様に、自分達がとても大きな家に住める事に驚き、赴任先がニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコと言った都市であったら、確実に無理であろうサイズの家にかなり安価で生活に不自由なく住まれています。よく聞く話は、赴任が終わって日本に帰った際、何と小さな家に住まなくてはならないのか、と皆さん嘆いているようです。 

留学生が少ないと言いましたが、シカゴの姉妹都市が大阪市であるためか、大阪からの留学生が多いようには感じられます。シカゴの人達もジョークや笑いが大好きなので、大阪のお笑い気質と似通った所があるかもしれません。語学学校にも世界中から人が集まっているので、シカゴに居ながらアメリカ以外の文化や人々と知り合える事も可能です。 

シカゴの景観の素晴らしさに繋がるのですが、大都会なのに自然も多く、街はとても綺麗で整備されています。ミシガン湖に面しているので、夏は家族や友人達とビーチでのんびりするのも最高の過ごし方となっています。 

【シカゴは安全?】 

恐らく、住むのにも訪れるのにも、街が安全かどうか?という問題は、日本人としては切り離せない問題だと思います。実際のところ、トランプ前大統領は、シカゴの犯罪発生率が高い!とシカゴ市長をやり玉に挙げていました。日本人からすると、ギャングのアル・カポネが禁酒法時代にのさばっていたシカゴというイメージもあるかもしれません。しかし実の所、近年のシカゴの犯罪率は一時の1970年代と比べると、各段に下がっています。また、発生している犯罪の大多数がギャング間での抗争です。そして、犯罪発生地域はサウスサイドとウエストサイドとほぼ決まっており、一般市民はそのような危ないエリアがわかっているので決して近づきません。 

実際、シカゴという街は、多くのアメリカ人が夏に観光したい街の一つであり、ダウンタウンでは様々なイベントが開催されています。例を挙げるときりがないですが、有名どころのレストランの味が楽しめる「テイスト・オブ・シカゴ」、音楽の祭典としては「ジャズ・フェスティバル」やポップやロック、ラップで超有名なパフォーマーが出る「ララパルーザ(Lollapalooza)」など、夏場は数えられない程イベントが目白押しです。ですので、シカゴは安全か、安全でないか、という答えとなると、「行ってはいけない地域に行かなければ大きな問題は起こらない」と言えると思います。 

ちなみに、シカゴの冬の寒さは洒落になりません。-20度というような日々が数日続いたり、雪が積もったりする日もあります。ただ、寒さは冬の間ずっと長く続く事はなく、続いても連続2~3日で、他は普通に歩いて電車やバス、車に乗って難なく仕事や学校に出ています。雪も慣れている街のため、除雪車がすぐに街中を走り回って道路を整備し、同時に塩をまいて路面に雪が積もらないようにしています。雪かきは結構な仕事ですが、それも自然と一緒に過ごすため、夏の美しさに改めて感動するためと、人々は大して文句を言わないのも良い所だと思います。 

【最後に】 

私が最初にシカゴに足を入れたのは、先ほど書いた、ジョーダンがいるブルズの試合を見るために、ロサンゼルスの学校をキャンセルしてシカゴの学校に転入した1993年でした。その一番最初に空港で大きなスーツケースを一人で転がし、地図を見ながらどうやって学校のドミトリーにたどり着くか?と考えていた際、ある人に「大丈夫ですか?何かお手伝いしましょうか?」と親切に聞かれた事は今でも忘れられない思い出です。 

シカゴで将来の旦那さんに出会い、日本に戻って住み始め、その後も何度もシカゴの親戚に会いに来ました。偶然一人でベビーカーに長男を乗せてバスに乗ろうとした際、全身タトゥーだらけの男性が「僕がベビーカーの後ろを持つからだ大丈夫だよ!」と何も言わなくても手伝ってもらえたのは、もう15年も前の事です。 

2016年からは子供3人と主人の5人で、新たな生活の場として東京からまた引っ越してきましたが、やはり街の美しさは全く変わらず、それ以上に素敵な街に変化しています。でも何より、シカゴという街には心優しく親切な人が多く、実直で笑いが大好きな人に溢れている印象があります。色々な経験や体験を通し、やっぱりシカゴって素晴らしい!と思える街なので、もし機会があれば、是非訪れてみてください。 

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