コロナ時に新学期リモート授業開始(1)
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コロナ時に新学期リモート授業開始(1)

記念すべきブログ投稿第一回目なので楽しい話題を提供したい気持ちもありつつ、現実的な内容で進めます。2020年と言えば、何と言っても新型コロナを抜きには語れません。ちなみに、アメリカではよくCOVID-19と呼んでいます。2019年に発生したコロナという意味ですね。私の住んでいるシカゴ郊外では、3月中旬から学校も仕事も多くのところで一斉にリモート体制が開始されました。そのままセメスター終業時期を迎え、子供たちは卒業学年ではなかったものの、学校が終了。卒業年生の卒業式ももちろんキャンセル。サマーキャンプやスポーツ活1動も6月いっぱいまで何も出来ませんでした。 

イリノイ州では5月、6月辺りが丁度患者数のピークとなり、州や地域の規定で軽い運動や外での散歩以外、店への買い物などはマスク必須でした。レストランや散髪も行けず、化粧をしない気軽さはありましたが、知らないうちにストレスは溜まる一方。唯一救われたのは、爽やかな夏となり、散歩時の爽快さでどうにかリフレッシュしていました。そんな中、7月以降にようやく州での規定が緩くなり、少しずつ外へ出る人が出てきました。レストランも持ち帰りやデリバリーが増え、屋外なら飲食可能など、やっと冬眠から明けた熊のように、様子を伺いながら活動が再開していきました。運よく私の地域は良識ある人が多いので、自主的に2M離れる、必ずマスクを着用する、という事は未だに必ず実践されています。 

そして8月中旬から子供たちの学校が再開。私には高校生2人と中学1年生の3人の男子がいます。下2人は夏の間に野球が出来きたため走り回っていましたが、それでも満足に夏休みを過ごせなかったからか、3人とも授業が待ち遠しいようでした。やはり授業はリモートでの開始。夏休みの間にそれぞれの学校から細かいアンケートが入り、どのように学校を再開したいか?という希望を保護者からじっくり聞いていました。3人とも公立の学校へ行っていますが、かなりリベラルで学校関連者が多い街のため、公立学校と言えど、手厚いサポートが入っています。ちなみに、アメリカでは、子供に良い学校に行かせるため、良い地域に引っ越しするというのは当たり前。日本のように公立ならそこまで大きな差はないという事は考えられず、税金で賄われる公立学校のレベルには、地域によって雲泥の差があります。だから、夫婦2人の時はシカゴに居たけど、子供が生まれて少し北に引っ越して私たちの街に来た、という人はかなりいます。うちの場合は5年前に東京からこの街に来ましたが、やはりエリアの良さという環境を考えて引っ越した程です。 

さて、子供たちの学校の話に戻りますが、私がこの状況で驚いたことは2点。1つ目は学校がかなりフレキシブルに対応しようとしている事。2つ目は、子供たちの心のケアに対するサポートが充実しているという事。 

まず詳細を説明する前に、なぜリモートへの移行が春の時から簡単だったかというと、すでに子供たちは学校からデバイスを支給されているという事実。6年生から8年生までがここで言う中学生ですが、入学するとiPadが全員無料で貸し出されます。9年生から12年生のいるこの街の公立高校では、GoogleのChrome Bookがなんと無料支給。これに関しては、貸出でなく、卒業後に自分の物として持っていて良い!という驚くような話です。まあ、同時に高校から生徒に対してChrome Bookに慣れさせるというGoogleのマーケティング戦略を感じましたがね。という事で、取り合えずリモート授業は春のロックダウン時から直ぐに開始されました。 

そして、秋から新学年の始業で学校がどうフレキシブルかと言うと、前述の通り、アンケートを取って保護者の意見をきちんと受け止めるという点。形式だけの聞き取り、という印象は全く受けませんでした。アンケートも2,3回行い、リモートミーティングも開催されていました。アメリカには思った以上に喘息持ちの子や何かしらの病状を抱えている子供が、日本より多いように感じます。また親も当たり前のように自分の子供の状況を主張します。これは、日本での教育や環境が、他の人に迷惑をかけない、という前提から成り立っているので、学校に対し自分の子供のニーズを主張するアメリカ式というのは、正直衝撃を受けました。でも結局のところ、子供が公平に教育を受けるために保護者が主張するのは当たりまえの事なので、実際は日本ももっとこうあるべきなんでしょうね。そして、内容が保護者の意見が吟味されて出された結果として、中学では最初の1か月はリモートで、その後はリモートと登校型の2パターンに子供の必要性と保護者の希望により分かれる、という内容でした。 

校に関しても、しばらくは連絡があるまではリモート授業を続けるも、話としては4,5グループに分かれて、リモート組と登校組を週ごとに入れ替える予定。こうして授業を少しずつ元の形に戻していく、という事が聞かれています。高校では毎週金曜日の朝授業前の30分間、学校の理事長と校長がライブでストリーミングを行い、状況のアップデートを共有しています。動画はYouTubeに上げられるので、ライブで見られなくても問題なし。中学校は規模も小さいのでそこまでの情報共有はないですが、メールやサイトのリンクで状況が報告されています。いつでも意見が言える公聴会のような場も週1回開催されています。日本の子供たちの学校生活を小・中学校と経験していますが、やはりここまで保護者や子供たちの意見を聞こうとしてくれる環境は珍しいと思います。もちろんこんな世の中の環境下自体も初めてですが、日本の公立教育でこのように保護者の意見に耳を傾ける姿勢は、あまり見受けられなかったように感じます。日本の教育の良い所は、落ちこぼれが少ない所というのがありますが、フレキシブルな仕組みを取り入れようとする姿勢、また保護者の意見を聞き入れようとする体制は、アメリカの方が断然良いと思います。この意見はあくまで私の地域の話なので、アメリカ全土がこの通りというわけではないのでご了承ください。

2つ目のポイントの子供たちの心のケアのサポートに関しては、また次のブログでご紹介したいと思います。 

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