外資系企業の中途採用面接とは
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外資系企業の中途採用面接とは

今回は特にアメリカ外資系の会社の就職面接について紹介したいと思います。私は日本とアメリカ両方の大学の文系を卒業し、両国で日系も米系外資も正社員として就業経験があるので、自分や友人の経験を元にしています。また新卒でなく中途採用、経験者採用という事に限っています。また、業界やポジション(特に技術系)が違うと状況も異なるとは思いますが、かなりの数を経験しているので、興味のある方は今後の参考にしてください。日系会社の就業は、日本の大学卒業後の新卒と、アメリカでの1社しか経験していないので、日系と外資はどれ程差があるのか?というとはっきりとは言えないのですが、恐らく米系企業の方が深みのある面接工程だと思います。そんな感じで参考程度に楽しんで読んでいただければとも思います。 

まず、仕事を探している時は、自分の履歴書であるレジュメをLinkedInGlassdoorなどのビジネスネットワーク系や求人サイトにアップロードします。そうしてHR(人事部)やTalent Acquition(採用部)の人が検索した際に目につくようにしておきます。更には、ヘッドハンターなどの人材コンサルタント会社に登録する事も可能です。ただし、アメリカではこのステップはひと昔前に比べると減ったように感じられます。日本で外資系の会社を検索する場合は、人材コンサルタントへの登録はかなり重要だったように思います。外資系となると、通常コンサルに依頼して、良い人材を探してもらうというのが常です。また、良い案件(大企業)の場合、会社名を出さないで求人している可能性が高く、コンサルにマッチングの良い人を探してもらってから、話を進めるという事が多かったです。ただし、最近は会社自体が自分たちで良い人材の獲得をしている傾向にあるので、20年前に比べるとこの「会社名を出さないで求人をコンサルに依頼」という傾向は減っています。ですので、コンサルに登録は、良い経歴がある方は無料でオンライン申請で登録可能であり、また一度は対面でコンサルと面接もありますが、それでも無料ですしアドバイスももらえるので、日本に居る場合は登録すべきと思います。ただし、繰り返しますが、現在はLinkedInなどで会社自体が求人募集しているので、自分でも簡単に応募が出来ます。 

さて、上手い具合にレジュメの審査が通って、次の過程となるのが、Talent Acquisitionの人とスクリーニングと呼ばれる過程です。会社の人との一次面接と言っても良いと思いますが、ここでは、一般的な質問が聞かれます。レジュメの内容やポジションとその人の経歴は合っているか?逆にポジションや会社についての質問があればここで色々と聞けます。通常30分程度で、アメリカでは電話で事が済みます。日本では、恐らく電話でなく、実際に会社に来て対面での面接になると思います。ここで一番日系と外資の違いが何かというと、率直に年俸の話が当たり前のように出てきます。現在幾ら稼いでいるか?あるいは、幾らを希望しているか?また何故その額を希望しているのか?という話です。大抵中途採用の場合は、業界が同じで会社やポジションを変えたい場合は、相場がわかるので額を出すのは問題ありません。問題は業界が違うと同じポジションであってもかなり平均値に差が出てくる場合があるのです。難しい所ですね。更に基本的な事を言うと、自分の価値を年俸という数字ではっきりと提示するというのは、日本人は苦手ですよね。でも、ここではっきり言う事ができ、それなりの額を提示するという事は、自分の経歴に自信を持っている証拠でもあるので、重要なポイントとなります。また、外資では通常ポジションによって出せる年俸の範囲や上限があるので、どんなに素晴らしい経歴の方でも希望額と会社が出せる年俸額に大きな差がある場合は、どちらかが断念しなくてはならない場合も多々あります。その誤差を最初に確認しておくために、この年俸確認はとても重要な質問なのです。逆に言うと、外資を受けて、最初の面接で年俸の話がない場合は、自分から聞くべきです。私はその工程を怠り、長い面接過程が終了して、いざオファーをいただいた際、年俸があまりにも低くて愕然とした経験があります。お互いの時間の無駄にならないように、外資への転職を考えている場合は、年俸の事は必ず考えておく内容です。就職面接というのは、お見合いと一緒ですね。このスクリーニング、あるいは第一面接は、お見合いの当事者同士が会う前に、お互いにベストマッチかどうかを確認するという事です。どちらかが何かが違うとなった場合、次に進まないというケースはいくつもあります。

このスクリーニングの際、あるいは、その後の工程でもテストが行われる場合があります。それが英語のテストであったり、数学であったりするのですが、ここではポジションに関わる重要なテストでなく、その人の一般的なレベルを図るものが多いように感じられます。このテストで満点を取ろうが、あまり良くない点数であろうが、この結果が採用に大きく影響を与える事は無いように思えます。一種のプロセスの一部、という具合で行っている会社が多いように思えます。 

さあ、話がこのまま上手く進めば、一週間程度で再度メールで連絡が入り、Hiring Managerとの面接になります。この立場の人が、通常は自分のManagerとなり、このポジションの人材が欲しい、とHRに連絡した人ですので、一番重要な面接となります。この後に何人続こうが、このHiring ManagerがOk!とした場合、どんなに後の人がNGと烙印を押しても合格となる場合が多いのです。だから、外資の場合は知り合いがこのHiring Manager、あるいはここと繋がっている人が知り合いの場合は、合格しやすいのです。LinkedInによると、新卒以外の採用の80%はこの知り合い(Referral)から、という結果らしいです。横の繋がりってビジネスでは重要ですよね。でも知り合いがいないから無理!という事ではないので心配しないでください。知り合いがいると有利だよ、という話です。 

しかし、外資ですと、ここでこのHiring Managerと1回の面接での後は、通常同じ日に、4-5人と連続で面接が入ります。Hiring Managerとは30分、あるいは1時間の場合もありますが、この次の方々とは各30分間の面接となるのが通常です。この面接官は、募集ポジションに関わる人、同じ内容の仕事をしている違うチームの人、または同じチームで違う仕事をしている人、別のチームの上長などなどです。会社がしっかり面接の構成を考えている場合ですと、何人続いても聞かれる内容は分かれます。全く同じ事は聞かれません。特人事が指示を出していない場合は、面接者が自分で質問を考えて行うので、面接官の全員から同じような質問が聞かれる場合があります。この際に受けている会社のレベルがわかります。面接慣れしている人なら、「同じ事聞くなよー!」って心の中で思っているはずです。だから、お見合いなんですよね。仕事が欲しい人ばかりがへつらっているのでなく、受けている側も会社のレベルを査定するべきなのです。 

恐らく、ここまでの流れが多くの会社の面接過程かと思います。上記の流れが済んで最終判断が下る場合もありますが、それ以上の面接や査定がある場合があります。違う日程をスケジュールされ、別の4-5人、各30分での面接。あるいはスキルテストや課題を出されてプレゼンテーションを行う場合もあります。スキルや経験、ポジションによりますが、外資の面接工程は、はっきり言いますがかなりキツイです!そして何より時間がかかる!1か月で決まれば早い方ですが、最初から2-3か月かかるのがほとんどです。なので体力勝負!精神的にかなり疲れますし、ここまで来て最終的に断られた場合は、もうしばらく廃人状態です(笑)。とにかく、最初から最後まで大変なんですよ、外資系の仕事を新たに獲得するというのは。 

最終面接も見事進んだ場合、オファーレターというものが会社から送られます。ですので、「受かりました。」という話でなく、「オファーレターを送ります。」と連絡が来ます。会社からの提示年俸、細かい福利厚生や、ある場合はストックオプションの詳細が厚めの書類で渡されます。1週間ほどでサインして送り返してください、となりますが、ここでもまだ終わりません。95%決まりなのですが、推薦者となる、過去に仕事を共にした人から推薦が必要なので、3人程度の名前と連絡先を伝えます。この推薦者は仕事という立場からの推薦者なので、過去に務めていた会社の上司、取引先、過去の同僚が通常です。名前のある会社や地位のある方の方がやはり話が通りやすいので、予め依頼する事を予測してその方々に事前連絡を入れておかなくてはなりません。私も通常3,4名過去の同僚や上司が推薦者としており、面接が上手く進んでいると、彼らに事前に依頼をしています。新しい仕事が取れそうなので、連絡来るよ!とう具合です。 

そして、更にはアメリカの場合ですが、クリミナルレコードや交通事故、薬物関連の逮捕歴などが確認されます。また、履歴書の内容が正しいかどうかの確認も第三者機関を通して行われるので、嘘を書いた場合はここでばれます。なので、応募の段階で、「履歴書に書いた内容は正しいです」とオンラインで遠視認証をします。私の経験はIT業界での事なのですが、金融関連ですと、もっと詳しく調べられる場合もあるようです。 

来ました!ここで全てが通ればほぼ哀愁段階です!もうすでにオファーレターにはサインして新しい会社に送っていますが、そのオファーレターには勤務初日の日程も入っています。それに従って業務開始となるわけです。ちなみに、このオファーレターの内容が全てであり、何か気に入らない事、例えば年俸や有給休暇、待遇、開始日など、これらはここまで来たら交渉次第で変える事ができます。私も年俸が低いので上げて欲しいと話すと、年俸は無理だけど、サインナップボーナス(契約書にサインしたらすぐに入る一度きりのボーナス)が入りました。また、中には有給休暇の日数を増やしたり、中には在宅勤務可能にしてもらう交渉内容もオファーレターに追加で入れてもらう事もあります。日本企業ではこのような事は無理ですよね。いやー本当に長いですよ最終までいって新しい仕事をもらうのは。。。ただし、外資という事もありますが、給料は日系企業より断然良いですし、自分が評価された!という満足感も得られます。前の会社より待遇が良くなり、ネームバリューがある会社の場合は、更に嬉しいですよね。だから、人それぞれ自分が求める物が違うと思いますが、入る前も入ってからもかなり厳しい外資ですが、かなり得られる物も多いので、外資企業に転職しようと考えている人は、是非頑張ってください!ちなみに、私も現在先方からの連絡待ちです! 

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