子供のアメリカ大学資金をまかなう方法
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子供のアメリカ大学資金をまかなう方法

大学への教育資金には計画が大事!

アメリカの学校の教育資金や大学費用というと、日本とは比べ物にならない程高額になっています。


私も20年以上前にイリノイ州にある私立大学に通いましたが、その時でも1年間でUS$13,000は支払ったように思います。


その大学は私立でも当時安い方でしたが、アイビーリーグや超有名大学といったら、年間US$40,000~$60,000という高額な費用が学費だけで必要です。

それに寮の費用や生活費、教科書代などか加わるので、親としては早いうちから計画的に子供のための教育資金について考えておかなくてはなりません。


それでは、いったいアメリカではどのように学費を準備しているのでしょうか?

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今回は、アメリカでの子供の教育資金、特に大学資金をまかなう方法を紹介しています。 


ここに書いている内容は、ソーシャルセキュリティ番号という社会保障番号の保持者、あるいはアメリカ国籍保持者が対象となります。


残念ながら、日本からの留学生となると以下で紹介するようなシステムを使えないことがほとんどです。


日本から留学する場合は、日本国内で私立の団体や国が提供している奨学金制度に申し込み、少しでもサポートを受けられるようにしてください。


留学生がアメリカの大学に入る場合は、学費が払えるかどうかの確認も行われ、銀行口座にある程度の金額が確認できないと、合格しても入学はできません。


どうか支払い費用に関しては事前に確認をしてください。

ブログ『アメリカ大学入学決定までの道のり』でもアメリカの大学に関する情報がたくさん入っています。


お子さんがアメリカの大学を目指している方は、現在日本にいてもアメリカに住んでいても、かなり最新で詳細の情報となっています。


私の実体験から成り立って十分理解できているので、どうぞ合わせて読んでみてください!


  • 529 プラン
  • Roth IRA(ロス・アイアールエー)
  • アメリカの保険で学資積み立て(日本語サポートあり)
  • FAFSA(ファフサ)
  • 学生ローン
  • 奨学金
  • 最後に

【529 プラン】


529プランとは、子供の学資積み立てとして最初に思いつく制度です。


アメリカの政府が、大学費用積み立てのために設けた公的貯蓄制度で、投資対象の投資信託や債券に投資します。 


 プランの運用による利益は全て再投資され、運用益からの課税はありません。ただし、学費対象以外の方法での用途で利用するとなると10%のペナルティが課されます。

529プランの良いところは、積み立て時に学資金を享受できる名義人を指定するのですが、その名義人はいつでも何度でも変更が可能なところ。


一人の子供のために529プランの口座を作っても、もし私立の学校や大学に行かない場合は、その名義人を他の子供、あるいは孫に変更することも可能です。 


 また、名義人ごとに積立金額の年間控除額は設定されているため、子供の数だけ529プランの口座を作り、控除もそれぞれ分受けられます。


529プランは州ごとに設けられて、それぞれ多少違いがあります。


ちなみに、私の住んでいるイリノイ州は、税金の納税システムが個人一人の場合はUS10,000、夫婦共同で申請している場合は、US$20,000 までとなっており、州税は積み立て分にも運用利益からも無税となります。


よって、学費を貯めて、運用しながら税制優遇制度にもなるというプランです。


自分の住んでいる州以外でのプランに参加も可能なので、ベネフィットを考えながら長期的に投資する事が可能であれば、とてもお勧めです。


ただし、プランの選択先にあまり自由がないので、投資に秀でている人からすると、長期でない限りは、利益の分はあまり期待できないという指摘もあるようです。

【Roth IRA】


IRAというのは確定給付型年金のことを指します。IRAにはTraditional IRAとRoth IRAの2種類があるのですが、子供の学資にはRoth IRAのみ使い方として可能な仕様になっています。


個人年金プランなのになぜRoth IRAが学資の選択肢として使えるのか?それには基本的な仕組みの違いからそうなっています。


Traditional IRAというのは、積み立て時に所得控除となり、Roth IRAは、入金時に税金が既に課された状態から積み立てとなるのです。


そこから、Traditional IRAの場合は、基本的に個人年金のため、59.5歳時以前に引き出すと、ペナルティとして引き出し額の10%を余計に支払わなくてはなりません。

しかし、Roth IRAは、入金時にすでに税金を払っているため、個人年金といえど、自分が入金した額についてはいつでもペナルティなく引き出せるのです。


ただし、投資分としての利益分に関しては引き出し時に税金がかかります。また、もし59.5歳以前の引き出しとなると、そこには10%のペナルティが課されます。


考え方の工夫なのですが、普通の銀行口座のように考え、Roth IRAへの入金分はいつでも引き出せるので、その分を子供の学資に回す。


そして、利益分は、そのままRoth IRAの口座に置いておけば、引き続き老後の投資対象となるという仕組みです。

さまざまな記事やYouTube動画でも、よく「529プランとRoth IRAのどちらが子供の学費として良い投資先か」?という比較の話が話題になっています。


529プランの良いところは、その基本的な作りが、私立の学校や大学以上の学費負担を計画的に賄うためのプランとして成り立っている所です。


Roth IRAは年間投資できる満額が、2021年現在では50歳未満で一人で年間US6,000。50歳以上だとUS$7,000(夫婦共同で税金を申請している場合は、その倍)となります。


金額的には529プランの方が年間としては多く入金可能です。

しかし、最近では、よくRoth IRAの方が学資対策には良いのでは?という意見が多いように見られます。


なぜなら、Roth IRAの方が州でなく、投資信託が提供しているため、投資先の選択肢が非常に多いからです。


もう1つの理由としては、Roth IRAの方が自分の名義での個人年金積立という名目となっているところです。


どういう事かというと、例えば、子供が大学に入学申請する際に、同時にあとで出てくるFAFSAというのを申請するのですが、その際に子供名義の529プランで積み立てされた金額は、必ず申請しなくてはなりません。


その金額が多額であると、政府から援助金が貰えなくなるという状況が発生してしまいます。


この事実は知られていないのですが、この理由もあって、529プランとRoth IRAの一部を合わせた方法で学資として考えている家庭も多いです。


本当に、アメリカという国は、頭を使えば最良の道は開けますが、調べなくては損をする!という実態がここでも見られます。

【アメリカの保険で学資積み立て(日本語サポートあり)】


英語で情報の確認、資産運用に自信がない方は、アメリカ国内でも日本語で問い合わせ可能な保険代理店を通して、アメリカの保険で学資積み立てを行う事も可能です。


Insurance 110 」という代理店は、日本人向けに学資積み立てなどのプランを提供しています。


私は実際には利用していませんが、プランの中身を勉強させていただくために、多くの無料セミナーに参加しました。


内容も充実していて、かなりわかりやすく説明していたので、興味がある方は無料で相談を受けられるようなので、ぜひ確認してみてください。

【FAFSA(ファフサ)】


FAFSA とは、Free Application for Federal Student Aidの略で、要するに連邦政府に大学費用の援助金を無料で申請することを言います。


これは何かと簡単に言うと、政府からの補助金、政府の学生ローン、奨学金を利用するための財政援助を受けられる権利の申請となります。


大学側もこのFAFSAを通して申請された家庭の経済的状況を加味して、大学独自の奨学金を決めたりしているので、大変重要な申請となります。


アメリカで子供が現地校に通い、一度でも大学に関わる話を聞くなら、FAFSAの話は必ず出てきます。


大学に入学申請する際には、通っている高校からも入学申請する大学からも、どこからもか「FAFSA申請は必ず早めに行ってください」と言われます。

その理由としては、FAFSAは政府のお財布から出ているため、“First come, First serve“という、早い者勝ち。資金の底が付けば、対象となっても受け取れません。


2021年現在、翌年(2022年)の大学のためのFAFSA申請開始は、20211年の10月1日となっています。また、申請は毎年必要となるので忘れないでください。


FAFSAに申請できる基本条件は、学生自身が有効なソーシャルセキュリティーナンバーを持つアメリカ市民またはグリーンカードを保持していることとなるので、残念ながら日本からの留学生は対象となりません。

FAFSAへ申請する際に、子供が受ける大学(通っている大学)も同時に入力します。


よって、大学から合格通知を受けたのち、多くは2月~4月頃に、各大学から受け取れる奨学金や、税率の低い、政府から借りられる学生ローンの金額が書かれた Financial Offer Letter が届きます。


FAFSAからの支援金がどれ程、特に私立大学の方の補助になりうるかは、まったくもってその家庭の経済状況によって異なるのですが、州立大学へ通う場合は、かなりの援助が受けられます。


私が住んでいるイリノイ州では、家族所得が年間US$60、000以下であれば、州立大学がなんと無料で通えます!


FAFSAを計画的に活用しようとするのは難しいのですが、申請はオンラインででき、前年のIRSへの税金申請を電子申請していれば、その内容が自動的に取り込まれます。


ほぼ全ての学生希望者が行うことなので、難しくありません。必ず、FAFSAのことは理解しておきましょう。

【学生ローン】


FAFSA申請で受けられるのは政府からのローンですが、プライベートローンの学生ローンも存在しています。


しかし、やはりこちらは千差万別で、自分が選べるとしたら最後の選択肢となります。


今のアメリカの若者が、どんなに素晴らしい大学を卒業して仕事に就いたとしても、その先ローンの支払いが10年以上もかかる状況になっているのは、このプライベートの学生ローンも一役かっています。

プライベートローンが悪いというのでなく、将来の道筋は誰にも予測できず、また大学にローンを組んで入学したはいいが、卒業する前に退学する人も多くいます。


卒業してもすぐに仕事が見つかるかもわからず、仕事を見つけても毎月ローン返済が頭にあるとなると、親としてはやはりこの手段は出来れば使いたくない選択です。


もちろん、学生ローンをしてまでも得られるのが大きいのが大学の学位、学士号、博士号なので、勉学という投資のためには背に腹は代えられない事かもしれません。


また、アメリカでは18歳から大人という考え方なので、家庭によっては大学費用をまかなうのは大学に行く子供が請け負う事!という考え方もあります。


その場合は、親からのサポートがあまり期待されないので、自分で学生ローンを組む人も多いようです。


そして、子供をサポートしたくても出来ない経済状況の家庭もあるので、選択肢があるというのは、やはり良いことではあります。

【奨学金】


アメリカの大学向けには、驚くほど多くの奨学金が提供されています。


日本で大学の奨学金というと、かなり優秀な生徒が受ける、あるいは経済的にサポートが必要な学生が貸与として受けるというイメージかと思います。


しかし、アメリカの大学は日本の学費の3倍~6倍もするので、地元の地域から、高校から、街から私営の団体、州や政府のからと数えられない程奨学金という形でサポートする団体が多くあります。


このような奨学金は、受ける生徒は返済義務がないので、学費として、あるいは学校関連費用、また生活費用として使え、返済義務もありません。


また、提供する団体側としては、奨学金制度は税金対策になり、コミュニティをサポートできて税金対策にもなるなら活用しない訳にはいかない!という具合のように、多くの提供元があります。

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私営の団体からの奨学金が多いため、申請をする際の基準も団体によって異なり、マイノリティやアジア人限定、家族で初めての大学進学者限定、またLGBTQ限定という奨学金までさまざまです。


また、進学予定の大学にもFAFSAとは違った奨学金制度を設けており、特に進学する学部ごとに個別の奨学金が提供されていたりします。


奨学金申請も奨学金によって違いがあるのですが、簡単なところではオンラインで名前と簡単な情報を記入し、抽選で当選するというものもあります。


多くの場合、申請に必要なのは、申込書、推薦状、高校からの成績表、そして簡単なエッセイというのがセットのようです。申請にも時間がかかるのですが、そこまで大変でありません。また、エッセイに関しても、同じような題目が多いため、少々変更を加えるだけで全てを最初から書かなくてはならないということは少ないです。

地元や関わっているのコミュニティからの奨学金の方が、州や連邦政府からの奨学金よりも受けられる可能性が高いとよく聞きます。


申請基準を満たしていれば、誰でも申請できるので、まず地元の奨学金から調べ始めてみてください。


次に、自分の特異性、例えば日本人であることや将来学校の先生になろうとしている人など、範囲を狭めた対象者向けの奨学金を見つけてみてください。


奨学金の金額は本当に色々あるのですが、大抵はUS$1,000としているところが多く、全体的にはUS$500~1年間分の学費、また最高の奨学金では4年間全て、というのまであります。


このような奨学金受賞者は、テレビに出るような驚く発明をしたような生徒向けですが、US$500~US$1,000はどのような子でも受けられる印象です。


基本的に、奨学金自体の数が多いのです。数打ちゃ当たる!という具合に、すごい学生では年間50ほど申請している学生もいます。


そのうち10の団体から奨学金を受けられ、結果的に申請した際の時間や労力の投資の割には収益が高く、学費をかなりセーブしている話を聞くこともありました。


私の長男も運良く2団体から奨学金を頂く予定です。長男は、特別成績が良いわけでもスポーツで表彰されたわけでもなく普通の学生です。


確実な方法でないですが、私営団体からの奨学金をチェックし、申請するという方法も必ず選択肢に入れてください。

【奨学金参考サイトの一例】


fastweb.com


niche.com


scholarshippoints.com

最後に


アメリカの大学費用が日本と比べられない程高額というのは、何度も話している通りです。しかし、色々と情報を集めると、その中でもどうにかして学資に充てるための方法は日本以上に存在します。


アメリカ国籍を持っていたり、ビザを持っていて1年以上アメリカに住んでいる場合なら、居住地の州立大学は税金で多くが賄われているため、費用も年間US$10,000未満からUS$25,000と比較的安価です(州によって規定は違います)。


州立大学の中には、日本でも有名なUCLAのように、比較的に支払いやすいだけでなく優秀な生徒が通う有名州立大学もあり、そのような大学は人気もあります。

もっと経済的に大学の単位を取りたい人は、コミュニティカレッジで一般教養科目の単位を最初の2年間で取得し、その後行きたい大学に編入するという道もあります。


ただし、自分に強い意志がないと周りに流され、良い成績を2年間維持するのはとても大変なことです。


また、「自分の大学に誇りを持つ」という気持ちも重要で、そのような状況を作れるのは、4年間大学に在籍したという環境内で作られるようにも見えます。


このように、大学費用を抑える努力は可能ですが、それでも年間平でUS$2~40,000必要になるであろう大学の教育費用。


一番のポイントは、親が学資サポートを全額、あるいは多額に支援したいと考えている場合は、子供が小さい時から、あるいは生まれる前から計画的に教育資金を貯蓄するに限ります。


現在アメリカに住んでいるようでしたら、上記の方法を理解して計画的にプランを立てれば、お子さんへの教育的サポートもしっかり準備できると思います。


また、びっくりしますが、州立大学だけでなく、私立大学の場合は、大学自体がお金を持っています。単に学費だけで比較して高額な大学だから行きたくても行けない!という事は決してありません。


入学審査に合格し、Financial Offer Letterを確認しても学費捻出が難しい場合は、大学に相談してください。驚くほどサポートしてくれる大学もありますよ!頑張ってください!