アメリカの大学の選択方法
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アメリカの大学の選択方法

アメリカの高校生が初夏に卒業して大学に進むのは、多くの場合その年の秋からとなります。丁度、長男が来年の秋から大学へ進む予定であり、有難い事にいくつか合格の連絡が来ています。20年以上前ですが、私もアメリカの大学へ通いましたが、今は全く状況が変わり、母である私も色々とアメリカの大学について調べています。 

日本とアメリカの大学の違いを話し始めるとキリがないので、そこは他の方に任せるとし、私は希望の学校を絞り込んだ後の判断基準をどうするか?という内容を紹介したいと思います。ですので、行く街、学部、費用、実際に訪れて学校を絞るというような基本的な、また一番最初に考慮すべき内容は省いています。現在の長男の状況のように、合格校が数校あり、そこから最終的に決めるための考慮すべき要素、あるいは、これから大学進学を考えていく中で、知っておくと助けになる項目を挙げています。現在日本に居て、実際にその大学を訪れるのが難しい方にとっても、大学選考の際の判断基準となる項目を列挙しています。 

  • アカデミック
  • 価値(ROI=費用対効果)
  • 在籍率・卒業率・就職率
  • ダイバーシティー(多様性)
  • キャンパス(施設)
  • スポーツ競技
  • パーティ―シーン
  • 教授のレベル・教授と生徒の比率
  • ロケーション
  • 大学内の食事・ドミトリー(ドーム、寮)・学生生活の充実性
  • 安全性
  • 提供プログラム

【アカデミック】

費用と共に基本的な事で、わざわざ挙げるべきでもない程当たり前の要素なのですが、世の中での大学自体の評価、学問的レベル、また伝統的や形式を重んじるのか?という、アカデミック要素を考慮する事はとても重要です。高校のGPAやSAT、ACTなど試験のレベルで自分に合うと考えても、自由な考え方を手を広げて受け入れる大学なのか、コンサバティブなのかという事も考慮し、自分に合う大学を絞るというのは大切です。 

【価値(ROI=費用対効果)】 

大学の一般的な評判、学問的なレベルの高さ、費用などの主要な要素を包括的に捉えての大学の価値です。卒業後に、自分が投資した時間や努力に値する、あるいはそれ以上の何かを得られる事ができるか?という指標を考慮する事は、特にアメリカで働きたいという方にとってはとても重要です。アメリカでは、日本以上に学歴社会であると実感していますし、就職先を探す際にも、職歴が浅い場合は大学名が響きます。この大学でこの学部で学んでいたからこの仕事に就きたい!と言えるような価値を自分が得られるというのは、将来有利ですよね。 

【在籍率・卒業率・就職率】 

日本の大学と大きく違いが出るポイントです。アメリカの大学でよく言われるのは、「入りやすく出にくい。」=入学時より、入ってから卒業までが大変という事で、その事実は実際に数字で表れています。それが、在籍率(Retention Rate)と卒業率(Graduation Rate)。退学する人、4年で卒業できない人の割合というのは、数字として公表されています。アイビーリーグのように日本でも有名な一流大学では、両方の数値が高く表示されるのですが、B+レベルの大学であっても、在籍率や卒業率は一気に違いが出てきます。よって、学力のレベルだけで決まる訳ではないので、学校を決める際には一つの指標として考えなくてはならない項目です。また、就職率(Job Placement Rate)というのも公表されているので、卒業後にどれ程の生徒が6か月以内に仕事に就けているのか?というのは、もし米国で就業まで考える場合は重要です。学校のコネクションやインターンの話が多く入ってくる大学は、やはり就職率も高くなっています。 

【ダイバーシティー(多様性)】 

大学はダイバーシティー(多様性)を意識的に受け入れているのか?外国人学生の割合や人種の多様性にオープンか?あるいは偏りがあるか?男女の比率は?性別を限定したくない人に対して、学校はどう対応しているか?という指標です。日本語でこのブログを書いているので、読者の方は日本人が多いと思います。よって、私たちの立場からすると、やはりダイバーシティーに力を入れている大学は、文化や風習の違いが、出身国や人種の違いによってあるという事を理解してくれます。ただし、自分の勉強したい内容が特殊な人種や国民性に関わる内容でしたら、もちろんそれに限らないとは思います。 

【キャンパス(施設)】

 日本でもキャンパスや施設の充実性というのは、重要になってくると思います。新しくて綺麗なキャンパスならば、毎日が楽しくなるでしょう。最新技術を取り入れて勉強が出来るような環境が整っているならば、学生にとっては有難い限りです。また大きな大学では、何万人と通通う学生がいるためキャンパスの範囲も広く、建物間での移動に自転車やシャトルが必要な場合も多くあります。一方、リベラルアーツ系の大学では、一万人いかない学生数で、全てが手短な範囲にあるという小規模な大学もあります。自分がどちらが合うのか?好きなのか?という事を考えるのも大事です。 

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【スポーツ競技】 

自分がスポーツをする場合、または自分の学校のスポーツ競技を応援したり見たりするのが好きな人は、この要素は大学選びに重要です。アメリカの大学では、スポーツの競技によって所属するレベルがあり、ディビジョン、カンファレンス、所属協会などに違いがあります。競技レベルの高い大学のフットボールやバスケットボールの試合は、テレビ中継される程なので、目当ての大学がスポーツ競技に力を入れている場合は、一緒に応援したり楽しんだりして、大学生としての誇りと醍醐味を感じられるでしょう。 

【パーティ―シーン】

 学校内でパーティ―の開催が頻繁にあるかどうか?という指標になります。普通の日本人の感覚では驚くような項目ですが、調べるとすぐに状況がわかります。生徒によって、ソーシャライズする事(人と楽しく付き合う)に重きを置いている人、あるいは、お祭り騒ぎや頻繁に開催されるパーティーに全く興味はないという人とさまざまです。この要素を知っていると、自分と同じような生徒が多いかどうかが確認できます。 

【教授のレベル・教授と生徒の比率】 

学生たちの視点から、教授のレベル評価がされる数値も確認できます。大学自体のレベルはそこそこでも、ある学部の、あるいは、ある教授の授業は特別だ!という意見が見えたりもします。上記の【大学の価値(ROI)】にも沿う内容ですが、時間や費用を投資した以上の、その学校独自の何かが学べるというのは素晴らしい事です。また、一人の教授に対しての平均的な生徒比率も調べられるので、少数クラスで教授と近しいやり取りが出来るかどうかもわかります。 

【ロケーション】 

費用や知名度などと同じように重要なので、わざわざ載せる必要もないのですが、ロケーションも大学を決める際には絶対考慮すべき項目です。一般的に、東海岸の大学はアイビーリーグがある事もあり、比較的保守的、あるいは伝統を守る規律の大学が多いです。西海岸はもう少しリベラルで、開放的な学風の学校が多く見られます。都会にある大学は、日常生活のアクセスが良い分、キャンパスがまるでオフィスのような雰囲気でもあります。カレッジタウンと呼ばれる、街全体に生徒や大学関係者が多く住んでいるロケーションの場合は、比較的安全で集中もできます。しかし、都会から離れている場合が多いので、街からの刺激が物足りないと感じる人もいるでしょう。4年間、あるいはそれ以上生活する環境なので、自分がどのような街が好きなのか、知っておくべきです。 

【大学内の食事、ドミトリー(ドーム、寮)、学生生活の充実性】 

特に最初の1、2年、学生は学校の寮(ドーム)で生活する場合が多いでしょう。行きたい大学のドームは一人部屋なのか?二人部屋なのか?どのような施設が含まれているのか?食事のレベルはどれ程なのか?このような事は学生生活の充実性に繋がり、満足のいく大学生活となるかどうかの基準にもなります。『アメリカでの日本食材の確保』のブログにも書きましたが、日本食材の確保は、自分が思っている以上に重要なポイントです。特に男子学生の場合は要注意。ドームには食事を作れる環境があるのか?冷蔵庫があるのか?田舎の大学であったり、海外からの留学生が少ない場合、全てがアメリカ人基準で整っています。食事やドームの施設に関する事は、大学を決める決定打にならなくても、考慮しておいて損はないと思います。行ってから驚いた!という話はよく聞くのでね。 

【安全性】 

この指標は、特に女子学生にとっては重要ですね。日本人の感覚からすると、「安全」は、どこでも問題なく手に入れられる事項なので、つい忘れてしまいがちです。もちろん、米国留学や親元を離れて生活するので、街自体の安全性は事前に考慮すると思いますが、現役学生からの安全面でのレビューは確認しておくべきです。大学の街だけでなく、キャンパス構内の安全面についても同様です。多くのアメリカの大学は敷地が広いため、大学の構内で事件に巻き込まれる可能性は無きにしも非ずです。学校のセキュリティ状況、特に夜の構内の移動などのアクセスの良さなども考えておきましょう。学校によっては、セキュリティが構内の車の移動サービスを提供していたり、ボディガードのように一緒に外を歩いてくれる場合もあります。 

【提供プログラム】 

大学がインターンシップを提供しているか、単位を得られる異国への短期留学プログラムを提供しているか、教員などの特別な資格が取れるプログラムがあるかなど、詳細を見ていくとかなり違いが出てきます。やりたい事や学びたい事がはっきりしている場合は特に、そのプログラムの有り無しを確認すべきです。また、少しでも多くのオプションが欲しい人は、詳細のプログラム内容をチェックしておけば、色々と将来への可能性も広がると思います。 

このように細かい項目を見ていくと、確認すべき要素はいくつもあるのですが、実際に大学に通っている大学生からの評価というのは、何ものにも代えがたい生身の情報で、大変役に立ちます。その個人の経験からの感想なので、より鮮明にイメージが湧きます。ただし、レビューというのは主観的な感想であるため、評価や感想に偏りが出る場合もあります。しかし、それであっても学生からのレビューは、一番参考にすべき内容だと思います。 

私が感じる、アメリカの大学の良い所とは、自分で学生生活をカスタマイズできるところです。1年という単位でなく、セメスターやクオーターで区切られているので、費用も関わってきますが、大抵の場合は、入学してから勉強したい学部や専攻を変更する事も可能です。自分の夢が明確であればある程カスタマイズしやすく、漠然としていてもゆっくり学生期間中に考えていける時間があるのです。自分をしっかり持つという大人な対応を期待されますが、アメリカでの大学生活は、人生を有意義に過ごせる時間になると思います。 

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